
リーダーになったけれど、嫌われたくない…でもどう振る舞えばいいのか分からない。
そんな不安を抱えたまま、自信が持てず、モチベーションも上がらない、そんなあなたへ。
リーダー歴10年以上の私(ユリ)が、実際の経験をもとに「信頼される女性リーダー」への第一歩を、やさしく丁寧にお伝えします。
この記事では、特別なスキルよりも、誠実さや共感力など“日常の習慣”が信頼を育てるカギであることをお伝えし、自分らしくリーダーを続けていくための具体的な行動がわかります。



部下との距離感に悩んでいる方、注意や指示の伝え方に気を使いすぎて疲れている方にこそ、ぜひ読んでいただきたい内容です。
「嫌われずに一目置かれる」リーダーは、何が違う?


リーダーになったばかりのあなたが、「嫌われたくない…でもちゃんと認められたい」と感じるのは、とても自然なこと。
実は、まわりから一目置かれるリーダーほど、無理に強くふるまったり、厳しく接したりしていません。
では、そんな彼女たちは、どんなふうに信頼を得ているのでしょうか?
そのカギは、「人を動かす力」を“怖さ”ではなく“信頼”から生み出している点にあります。
ここからは、信頼されるリーダーが実践している、3つの基本的な姿勢をご紹介します。



まずは信頼づくりにチャレンジ!
1:一目置かれるリーダーは“怖さ”ではなく“信頼”で周囲を動かす
一目置かれる女性リーダーの多くは、周囲を威圧したり、無理にコントロールしようとしません。
むしろ、安心感や信頼感を持たせることで、自然と人がついてきます。
信頼は人間関係の土台であり、それがないとリーダーとしての言葉や判断も受け入れてもらえません。
たとえば、心理学者ポール・ザック氏の研究では、「職場の信頼度が高いチームは、生産性が50%高くなる」という結果が出ています。
🔎 豆知識|信頼と生産性の意外な関係
アメリカの神経経済学者ポール・ザック氏の研究によると、
「職場での信頼度が高いチームは、生産性が50%も高くなる」
という結果が示されています(※出典:Harvard Business Review, 2017)。つまり、「信頼されるリーダーであること」は、ただ好かれるだけでなく、
チーム全体の成果にも直結する大切なスキルなのです。



信頼こそがリーダーシップの源!


2:信頼されるために必要なのは「聞く力」
信頼されるリーダーに共通するのは、「自分が話すこと」よりも「相手の話をしっかり聞くこと」に重きを置いている。
人は自分の話をきちんと聞いてくれる相手に対して、「この人は私のことを理解してくれる」と感じ、自然と信頼を寄せます。
厚生労働省の職場改善ガイドでも、「傾聴が信頼関係の構築に有効である」と明記されています。
厚生労働省「働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト こころの耳」では、
「部下の話を聴くことは、信頼関係の構築につながります」
と明記されています。
厚生労働省 『傾聴の効果』 (閲覧 2025年5月)
聞く姿勢は、技術ではなく“習慣”です。



今日からでも実践できますね!


3:「嫌われない」より「誠実さ」を大切にすることで信頼が生まれる
嫌われたくないという気持ちは自然ですが、すべての人に好かれることは難しいものです。
それよりも、「誠実に接すること」を意識したほうが、長期的に信頼を得られる。
誠実さとは、「言行一致」「感情に流されず冷静に接する」「約束を守る」などの行動です。
経済産業省の調査でも、管理職に求められる資質の1位は「誠実さ」となっています(出典:経産省『社会人基礎力の育成・評価』報告書)。
経済産業省「社会人基礎力の育成・評価」調査によると、
管理職に求められる資質の第1位は「誠実さ(インテグリティ)」でした。
この調査は産学連携のヒアリングを通じてまとめられたもので、
「誠実さ → リーダーシップ → 協調性」 の順に重視度が高いという結果が出ています。
経済産業省 『社会人基礎力の育成・評価』 報告書(2006年1月)経済産業省https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/index.html



リーダーの評価は、そこから始まっているんですね!


「必要なスキル=特別な能力」ではない。自然体で活かせる3つの力


「リーダーに必要なスキル」と聞くと、特別な資格や、バリバリ仕事をこなす能力を思い浮かべるかもしれません。
でも実際は、あなたの中にすでにある“当たり前の力”こそが武器になります。
ここでは、リーダーとして「一目置かれながらも嫌われにくい」自然体のスキルを3つ紹介します。



何気ない言動がスキルとなりますよ!
スキル1:“よく見ている人”は、信頼される
リーダーには、的確な指示や判断が求められますが、その前に必要なのが「観察力」。
無理にリードしようとせず、まず“よく見る”こと。
それだけで現場の空気が読めるようになります。
観察によって相手の状態やチームの雰囲気を把握できれば、不満やトラブルを未然に防げます。
実際、職場改善の成功例の多くでは、「上司が部下をよく見ている・気にかけている」ことが信頼形成の大きな要因とされています(出典:厚生労働省 働き方改革モデル事例集)。
厚生労働省『働きやすい・働きがいのある職場づくり事例集』(平成26年)では、
成功企業の共通点として
「上司が部下をよく見ている・気にかけていることが信頼形成の鍵となり、離職防止にも寄与する」
と記載されています(p.279 付近)。
厚生労働省 PDF https://www.mhlw.go.jp/content/000482136.pdf ホーム|厚生労働省



人間ウォッチングこそ大事!
スキル2:“わかろうとする姿勢”が、人を動かす
共感とは、感情を同調させることではなく、相手の立場になって考える力。
「あなたの気持ちは理解できる」と伝えることで、相手の心の扉が開きます。
なぜそれが必要かというと、共感を示すことで部下や同僚は「この人には話してもいい」と安心し、信頼を寄せるようになるからです。
ダニエル・ゴールマンの“EQ(感情知能)理論”でも、共感力は優れたリーダーに共通する資質とされています。
ハーバード・ビジネス・レビュー掲載 ダニエル・ゴールマン「What Makes a Leader?」 によれば、
優れたリーダーは共通して高い “EQ(感情知能)” を持ち、その 5 要素のひとつが〈共感力 Empathy〉 である。
ゴールマンが 188 社・200 名近い幹部を分析したところ、「スター人材」と平均的リーダーの差の約 90%は EQ 要素で説明できた と報告している。Talent Management & TBHRMEQ(感情知能)理論とは?
自分と他者の感情を認識し、適切にコントロールし、対人関係を円滑にする能力 を総称した概念。
ゴールマンは以下の 5 コンポーネントで整理している。
ちなみに、コンポーネント(component)は英語で「構成要素」「部品」という意味で、EQを“5つのパーツに分けて捉えた枠組み”と理解すると分かりやすいでしょう。
- 自己認識 2) 自己制御 3) 内発的動機づけ 4) 共感力(Empathy) 5) 社会的スキル Accipio
コンポーネント | 意味とリーダーシップへの関わり |
---|---|
① 自己認識(Self-Awareness) | 自分の感情を正確に把握し、「いま自分は怒っている/緊張している」と気づける力。自分の強み・弱みを客観視できるため、無理のない意思決定や成長計画につながる。 |
② 自己制御(Self-Regulation) | 湧き上がる感情を衝動的にぶつけず、状況に合わせてコントロールする力。リーダーが感情的にならないことで、組織に安心感をもたらす。 |
③ 内発的動機づけ(Motivation) | 外部報酬よりも「自分が成し遂げたい」「学びたい」という内側のエネルギーで行動する力。ぶれない行動力がチームの士気を引き上げる。 |
④ 共感力(Empathy) | 相手の立場や感情を的確に読み取り、「わかろうとする姿勢」を示す力。部下の悩みや顧客ニーズをつかみ、信頼関係を築く土台になる。 |
⑤ 社会的スキル(Social Skills) | 対人関係を築き、協働を促進し、チームをまとめるコミュニケーション力。交渉・説得・ネットワーキングなども含む。 |



わかってくれる人には話しやすいよね!
スキル3:「迷わず決める」より「納得して決める」
優秀なリーダーは、決して“即断即決タイプ”ばかりではありません。
大切なのは、自分なりの判断基準を持ち、納得して意思決定すること。
「なんとなく決めた」「人に流されて決めた」判断は、あとからブレやすく、周囲も混乱します。
中小企業庁の調査でも、現場で信頼されるリーダーの条件として「自分なりの価値基準に基づいて判断できること」が挙げられています。
中小企業庁『2022年版 中小企業白書』第2部第2章第3節では、
“現場で信頼される経営者(リーダー)の条件”についてアンケートを実施。
最も多かった回答は「自分の価値観や経営理念を軸に判断できること」でした(回答率38.4%)。
価値基準をぶらさず意思決定する姿勢が、社員からの信頼や組織の一体感につながると分析されています。
中小企業庁 『2022年版 中小企業白書』 第2部第2章第3節【オンライン版】中小企業庁



まずは、自分が納得できるかどうかだね!
嫌われたくないなら、“言い方”より“伝わり方”を意識しよう


リーダーとして指示を出すときや注意をするとき、「言い方がキツくならないようにしなきゃ」と気を使いすぎていませんか?
“言い方”に神経質になりすぎるよりも、“伝わり方”を工夫することの方が、ずっと効果的。
ここでは、嫌われるリスクを減らしながらも、きちんと伝わるコミュニケーションのコツを3つお伝えします。



相手を思っての言動が何より大事!
コツ1:言葉より「受け取り方」に配慮するのが上級リーダーの視点
「ちゃんと言ったのに、伝わってない…」という場面、経験はありませんか?
それは“言った”ことと、“伝わった”ことがイコールではないからです。
大切なのは、相手がどう受け取るかを考えて話すこと。
その気づかいがあると、相手も「わかろうとしてくれている」と感じて、素直に耳を傾けてくれるようになります。



この姿勢があると、相手は「配慮してくれている」と感じ、反発心が和らぎましたよ。
コツ2:「否定」より「提案」の形で伝えると角が立たない
誰かのミスを指摘したいとき、つい「それは違うよ」と言ってしまうこと、ありませんか?
でも、そんな言い方だと相手は身構えてしまい、心を閉ざしてしまうことも。
「こうしたらもっと良くなると思うよ」といった提案の形で伝えてみる。
相手の受け取り方はぐんと柔らかくなります。
言い方ひとつで、関係も結果も変わってきますよ。



提案型の伝え方は、信頼を損なわず、行動変容を促す効果があります。
コツ3:フィードバックは「日常会話」の中で行うのがベスト
わざわざ呼び出して伝えるより、ふだんの会話の流れでサラッと伝える方が、相手も素直に聞いてくれます。
改まった場だと「何か怒られるのかな…」と身構えてしまいがちです。
日常の中なら安心感がある。
「そういえば、あの時よかったね」や「こうするともっと良くなるかもね」と、ちょっとした言葉が信頼を育てるきっかけになりますよ。



日常の延長線上で伝えると、相手はリラックスし、素直に受け止めやすくなりますよ。
「完璧なリーダー」じゃなくていい。“信頼される習慣”を身につけよう


リーダーになったばかりの頃は、「ちゃんとしなきゃ」「完璧にやらなきゃ」と力が入ってしまいがち。
でも実際に信頼されるリーダーは、すべてを完璧にこなす人ではありません。
大事なのは、小さな行動の積み重ね。
ここでは、今日からでも始められる“信頼される習慣”3つを紹介します。



リーダーであっても素直さが一番!
習慣1:「あいさつ」「約束を守る」など、当たり前の行動が信頼をつくる
信頼される人って、すごいことをしているように見えるかもしれませんが、実は基本を大切にしているだけなんです。
たとえば、毎日ちゃんとあいさつをする、約束を守る、ありがとうを忘れない。
そんな「ちょっとしたこと」の積み重ねが、信頼を育てます。
難しいことより、「いつも」を大切にする姿勢が、リーダーらしさにつながります。



基本的なことを、毎日きちんと続けるだけ。
習慣2:「自分の感情をコントロールできる」人は安心感を与える
リーダーが不機嫌だったり、感情の波が激しいと、まわりは「今日は近づかない方がいいかな…」と気をつかってしまいます。
逆に、いつも落ち着いている人には安心感があり、「この人になら相談できる」と信頼が集まってきます。
自分の気持ちをコントロールすることは、チームにとっての安心材料になります。



感情を安定させることで、チームに安心感が広がり、自然と人がついてきます。


習慣3:「わからないことは正直に聞く」姿勢が、逆に信頼される
リーダーだからといって、なんでも知っていなきゃいけない…そんなふうに思っていませんか?
でも、わからないことを正直に「教えて」と言える姿勢は、かえってまわりから信頼されます。
完璧に見せようとするより、素直に学ぶ姿を見せることが大事。
「この人と一緒に頑張りたい」と思ってもらえるんです。



「知らないから教えて」と素直に聞ける人のほうが、信頼されました。


“嫌われたくない”を乗り越えるヒントは、意外にも「自己開示」だった


「リーダーとして距離感を保たなきゃ」と思って、無意識に壁を作っていませんか?
確かに威厳も大切です。
でも、自分のことを少しだけ見せることで、あなたに親しみを感じ、信頼が生まれます。
最後に、“嫌われたくない”という不安をやわらげる、小さな3つのポイントをお伝えします。



私は、威厳より親しみやすさを選びました。
ポイント1:少しだけ自分のことを話すと、相手の心も開いてくれる
リーダーだからといって、ずっとかっこつけている必要はありません。
ちょっとした考えや気持ち、自分の経験をポロッと話すだけで、相手との距離はぐっと縮まります。
「この人も同じようなことで悩んでたんだ」と思えると、人は安心して心を開けます。



自分のことを少しでも話してくれる相手には、心を開きやすくなりますよね。


ポイント2:「弱さ」を見せることは、信頼される強さになる
「できないことを見せたらダメだ」と思っていませんか?
でも実は、ちょっとした弱さを見せられる人の方が、まわりから信頼されやすいんです。
人は、完璧な人よりも「自分と似ている」と感じる相手に親しみを感じる。
だからこそ、「実は私も最初はうまくできなかったよ」と伝えられる人には、自然と人がついてくるんです。



できないことや不安を言葉にできる人のほうが、人間らしさを感じて安心できませんか?
ポイント3:「完璧じゃなくても大丈夫」と思えると、人にもやさしくなれる
「ちゃんとしなきゃ」と自分に厳しくしていると、まわりのミスにもつい厳しくなってしまうことがあります。
でも、「私も完璧じゃなくていい」と思えるようになると、不思議と他の人にもやさしくなれる。
そんな安心感があるチームは、自然と本来の力を発揮できるようになりますよ。



「完璧じゃなくていい」と自分に許せるようになると、部下や同僚のミスにも寛容になれます。


FAQ
ここでは、信頼されるリーダーについて、よくある質問とその回答をご紹介します。
- リーダーになったのに、自分に向いている気がしません。どうすればいいですか?
-
リーダーに向いているかどうかは、すぐにわかるものではありません。最初のうちは「合ってないかも」と感じるのが普通です。焦らず、自分なりにできることを一つずつ積み重ねることで、自信と実感が育っていきます。
- 部下との距離感がわかりません。近すぎても甘く見られそうで…
-
リーダーとしての信頼関係は、適度な「親しみやすさ」と「境界線」のバランスで築かれます。まずは相手の話を聞く姿勢を大切にしながら、業務に関する判断や対応には一貫性を持つことが大切です。
- リーダーになってから、前より周囲が冷たくなった気がします。
-
役割が変わると、周囲の見え方も変わります。一時的に距離を感じることがあるのは自然なことです。急に仲良くしようとせず、誠実な対応を重ねることで、時間とともに信頼は回復していきます。
- 年上の部下にどう接すればよいか悩んでいます。
-
年齢に関係なく「相手を尊重する姿勢」は信頼の基本です。年上だからといって遠慮しすぎず、むしろ経験を活かしてもらうことで、良好な関係が築けます。上下関係よりも「協力関係」を意識するとスムーズです。
- 決断に自信が持てず、つい誰かの意見に流されてしまいます。
-
最初のうちは決断に迷うのも当然です。大切なのは「なぜそうするのか」を自分なりに考え、言葉にできるようにすること。小さな判断でも自分で選び取る経験を重ねることで、自然と軸が育っていきます。
- チームの雰囲気がよくないとき、どう立て直せばいいですか?
-
無理に空気を変えようとするより、まずは何が起きているのかを丁寧に観察することが大切です。小さな声に耳を傾けることで原因が見えてきます。そのうえで、できることから改善を試みると前進しやすくなります。
- 自分がリーダーになったことで、同僚との関係がギクシャクしています。
-
立場の変化に戸惑いを感じるのは、相手も同じかもしれません。これまで通りに接しながらも、必要なときにはリーダーとしての役割を果たす。その切り替えを丁寧に続けることで、関係は自然に落ち着いていきます。
- 自分の意見を言うのが苦手で、会議などで黙ってしまいます。
-
意見を言うことは、正解を出すことではありません。まずは「自分の視点」を素直に言葉にすることから始めてみてください。経験を重ねるほどに、伝える力も磨かれていきます。沈黙も自分を責めないで大丈夫です。
- 成果を出さないと意味がない気がして、いつもプレッシャーを感じています。
-
成果は大切ですが、それだけがリーダーの価値ではありません。プロセスを大事にし、チームが前向きに動けているかに目を向けることも重要です。焦らず「チームの土台づくり」に注力する時期も必要です。
- 忙しくて、自分の時間がまったく取れません。みんなこうなんでしょうか?
-
リーダー職は忙しくなりがちですが、だからこそ“自分の時間を確保する習慣”が大切です。少しの余白が判断力や思考の深さを保つ支えになります。完璧を目指さず、まずは「手放せること」から見直してみてください。
まとめ「嫌われたくない…でもリーダーとして認められたい」あなたへ。最初の一歩は、もう踏み出せている
この記事の大事なポイントをまとめます。
- 一目置かれるリーダーは「怖さ」ではなく「信頼」で人を動かし、まずは誠実であることが信頼形成の出発点になる。
- 必要なのは特別なスキルではなく、観察力・共感力・判断の軸といった自然体で活かせる日常的な力。
- 指示や注意は「言い方」より「どう伝わるか」を意識することで、相手に届きやすく、反発も少なくなる。
- 「完璧でなければ」と無理をせず、日々の小さな行動と感情のコントロールが信頼につながる土台になる。
- 自己開示や弱さを見せる勇気が、逆に人との距離を縮め、安心してついていけるリーダー像をつくっていく。



リーダーに難しいスキルは必要ないのです。
思いがあれば大丈夫!




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