『リーダー研修、受けたほうがいいのかな…』
そんなふうに考えていませんか?
初めてリーダーを任されたとき、多くの女性が一度は研修参加を考えるはず。
自信がない…
正解がわからない…
下との関係もぎこちない…
だからこそ「学ばなきゃ」「ちゃんとしなきゃ」と思うのは、とても自然なこと。
でも一方で、
「研修を受けたけど、現場では何も変わらなかった」
そんな声があるのも事実。
この違いは、やる気や能力の差ではなく、研修を受ける前の状態に大きな差があるのです。
この記事では、研修で成果が出る人、出にくい人の違いを、「距離感」という視点から整理していきます。
ユリリーダーとしての踏み出し方や自身の目標や課題に合った研修を選びを、リーダー経験10年以上の私が本音ベースで語ります。


女性リーダー研修が「効く人・効かない人」がいる理由


研修そのものが悪いわけではありません。
大事なことは、「今の自分の状態」と研修内容が噛み合っていないこと。
たとえば、
- 部下にどう声をかけていいかわからない
- 近づきすぎてなめられている気がする
- 逆に距離を取ったら冷たいと思われた
こんな距離感のモヤモヤを抱えたまま研修を受けると、新しい知識やスキルを学んでも、現場で使えず終わってしまいがちです。
頭ではわかっている。
でも、いざ部下を前にすると動けない。
それはスキル不足ではなく、人との関係性がまだ整っていない状態だからです。
成果につながる人は「距離感」を先に整えている


一方で、研修をきっかけに変わっていく人もいます。
変わっていく人たちに共通しているのは、
「うまくやろう」とする前に、相手との関係をよく見ていること。
- この人とは、今ちょっと近すぎるかも
- あの人には、もう一歩踏み込んでもよさそう
- 今日は忙しそうだから、声かけは短めにしよう
こうした小さな調整を、無意識に、でも丁寧にやっています。
研修で何を学ぶかの前に、日常の距離感を観察している。
この土台があるからこそ、研修で学んだ言葉や考え方が、現場で自然に使えるのです。
研修より先に見直したい「3つの距離感」


研修を考える前に、ぜひ一度立ち止まってほしいポイントが3つあります。
① 近すぎないか
「いい人」をやりすぎていないか
たとえば、こんな行動に心当たりはありませんか?
- 部下に頼まれると、つい自分が引き受けてしまう
- 本当は違和感があるのに、波風を立てるのが嫌で何も言えない
- 「嫌われたくない」という気持ちが先に立ってしまう
- 上司ではなく、相談相手や愚痴聞き役になっている
当てはまる項目があるなら、距離が近すぎて「役割の境界線」が曖昧になっている可能性があります。
近づきすぎると、優しさは「甘さ」に、配慮は「遠慮」に見えてしまうことも。
「優しくしすぎて、もしかして軽く見られているかも…」と感じたことがある方は
▶︎ 新人女性リーダーがなめられやすくなる原因と対策 をまとめたこちらの記事も参考にしてみてください。
「私、軽く見られてる?新人女性リーダーの3大原因と即効対策」


② 遠すぎないか
「上司らしくしよう」としすぎていないか
たとえば、こんな行動に心当たりはありませんか?
- 仕事の話しかしないよう意識している
- 雑談や声かけは、必要最低限にしている
- 「甘く見られたくない」と思い、表情や態度が硬くなっている
- 部下から話しかけられても、つい業務の話に戻してしまう
もし当てはまるなら、距離を取りすぎて「話しかけにくい上司」になっている可能性があります。
距離を保とうとする意識そのものは、決して悪いことではありません。
ただ、遠すぎると部下は以下のように感じやすくなります。
- 何を考えているのか分からない
- 相談していいのか迷う
- ミスや不安を抱え込んでしまう
結果として、「信頼されていない」のではなく、「どう近づけばいいか分からない」状態を生んでしまうことがあります。



厳しさと距離は、同じではありません。
少しの声かけや表情だけでも、関係性は大きく変わります。
「距離を保っているつもりが、壁を作ってしまっているかも…」と感じたら
▶︎ 女性部下が心を閉ざす理由と、距離の戻し方 を詳しく解説したこちらの記事も役立ちます。
「女性部下が心を閉ざす5つの理由|距離が遠ざかったときの正しい戻し方」


③ 日によってブレていないか
「気分」や「状況」で態度が変わりすぎていないか
たとえば、以下のようなことはありませんか?
- 忙しい日は、声かけが減ってしまう
- 余裕のある日は優しく、疲れている日はそっけない
- 昨日はOKだったことを、今日は注意している
- 自分では普通に接しているつもりなのに、部下の反応がぎこちない
もし心当たりがあるなら、部下は「距離感」ではなく「対応の基準」に迷っている可能性があります。
リーダー側から見ると、「今日は忙しかっただけ」「そこまで態度を変えたつもりはない」という感覚かもしれません。
でも部下からすると、
- 今日は話しかけていいのか
- どこまで任せてもらえるのか
- 何が正解なのか
が、その日その日で変わって見えてしまいます。
一貫性がないと、部下はあなたを信用していないわけではなく、「どう接すればいいか分からない」状態に。



完璧に同じ態度でいる必要はありません。
大切なのは、「基準だけはブレない」こと。
日によって態度や判断が変わってしまうことに心当たりがある方は…
▶︎ 「ぶれない軸」を整える考え方 をまとめたこちらの記事もあわせて読んでみてください。
「ぶれないリーダーがチームを強くする|うまくいかない時こそ見直す3つのポイント」


それでも研修を使うなら、距離感の視点で選ぶ


部下との距離感が、「近すぎないかな」「遠すぎないかな」と自分で振り返れるようになってきた段階で、
研修はとても有効な「道具」になります。
その段階で大切なのは、「何を学べるか」よりも
- 研修の中で 自分の感じ方を言葉にできる対話の時間があるか
- 講師や他の受講者と、安心して振り返れる関係性があるか
- 学びを 現場(部下との関わり)に持ち帰る前提で設計されているか
といった、人との関係性を扱う要素が含まれているかどうかです。
スキルや理論だけを一方的に学ぶ研修は、部下との距離感を大切にしたいリーダーにとっては、かえって噛み合わないことも少なくありません。
一人で整理できないなら「話して整える」という選択


距離感の悩みは、頭の中で考えても答えが出にくいものです。
感情が絡み、相手も複数いて、正解が一つではないから。
そんなときは、「学ぶ」よりも「話す」ことで整理が進むことがあります。
ここで大切なのは、答えをくれる人に話すことではありません。
- 同じ立場か、少し先を歩いている人。
- 評価や利害関係のない第三者。
- そして、すぐにアドバイスせず、あなたの話をそのまま聞いてくれる人。
誰かに話しながら自分の考えを言葉にすることで、「今やるべき一歩」が自然と見えてきたりします。
もし、
- 職場の誰にも話しにくい
- 愚痴ではなく、整理しながら聞いてほしい
- 「私の場合はどうなんだろう?」と感じている
そんなときは、安心して話せる「場」を使うのも一つの方法です。
誰かに評価されるためではなく、
正解を教えてもらうためでもなく、
ただ自分の考えを言葉にする時間を持つこと。
それだけで、距離感の悩みが少し軽くなったり、次に取る行動が自然と見えてくることもあります。
一人で抱え込みそうになったときは、同じように悩んできた女性リーダーの声をまとめた記事もあります。
【保存版】リーダーに向いてない?逃げたい?
女性リーダーの悩み別記事まとめ
https://www.yuri-lead.online/nayamimatome/


まとめ:研修は道具、距離感は土台


研修を受ける・受けないに、正解はありません。
大切なのは、「今の自分に合っているかどうか」
距離感という土台が整っていれば、学びはあとからでも、ちゃんと活きてきます。



焦らなくて大丈夫。
一歩ずつ、自分らしいリーダーの形を整えていきましょう。














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