チームをもっと良くしたいけれど、何から手を付ければいいの・・・?
そんな不安を抱えるリーダーは少なくありません。
私もかつてクレームが絶えない部署を任され、わずか3ヶ月でクレームゼロへ導いた経験があります。
キーポイントは、順番とシンプルな行動。
本記事では、実際に効果があった手順を3フェーズに分けてご紹介します。

今日から取り組める具体策ばかりですよ。
実際に効果があったステップを通して、信頼関係の築き方からチームの自立までを学べます。
- 1ヶ月目:チームと信頼関係を築くための1on1活用術
- 2ヶ月目:SMART 目標で行動を加速させる方法
- 3ヶ月目:成果を定着させ、自走するチームへ導くコツ
1ヶ月目:信頼を築くフェーズ


ねらい:「この人なら安心してついていける」と思ってもらう。
\3つのポイント/
- 1on1で聴く – 週1回、部下の話を7割聴き、次アクションを一緒に決定。
- 現状を見える化 – KPTシート(Keep/Problem/Tryの3列で振り返る改善ボード)で課題を整理
- リーダーがまず動く – 失敗したらすぐ改善。知らないことは「教えて」と聞く。



さぁ、スタートしましょう!
ステップ1:1on1で関係を深める
部下との関係を深めるためには、1on1を定期的に実施し、相手の考えや悩みに真剣に耳を傾ける。



信頼関係の構築は、リーダーが「自分を理解しようとしてくれている」と感じさせることから始まります。
ステップ | やること | ひと言例 |
---|---|---|
傾聴 | 遮らず最後まで聴き、要約で理解確認 | 「今は A と B が重なっているんだね」 |
共感 | 感情を受け止める | 「それはプレッシャーが大きいよね」 |
提案 | 質問でアイデアを引き出す | 「最初に何から手を付けると良さそう?」 |



「タスクが多すぎて締切に間に合わないかもしれません…」



傾聴:最後まで聴いたうえで「今はAとBの案件が重なっているんだね」と要約。
共感:「それはプレッシャーが大きいよね。私も同じ状況なら焦ると思う。」
提案:「優先順位を整理するとしたら、まず何から取り掛かるのが良さそう?」
→ 部下の答えを具体的な行動リストにし、フォローアップ日を決定。




ステップ2:チームの現状を把握する
チームの現状を正しく把握し、励ましと引き締めのバランスをとる。
励ましだけでは甘えを助長し、引き締め一辺倒では意欲を削ぐ可能性があります。



チームを成長へ導くポイントは、「安心」と「緊張感」をバランスよく使いこなすこと。
- 事実をデータで共有:売上・品質・CS(顧客満足度)など現状値をグラフで見せ、目標との差を可視化。
- 原因を対話で深掘り:『どこでつまずいた?』『何が壁?』とオープンクエスチョン(Yes/Noで終わらず、自由に答えられる問い)で聴く。
- 解決策を共同設計:まず部下にアイデアを出してもらい、足りない視点をリーダーが補う。
- 期限と責任者をセット:(誰が) / (何を) / (いつまでに) をホワイトボードに書き、全員で合意。



「今月の新規顧客数は目標10件に対し7件でした。数字のギャップを一緒に埋めたいんだけど、どの部分が一番の壁になったかな?」



「見込み客を集めることは順調でしたが、提案書作成で時間がかかってしまって…」



「そうか。提案書が全体の進行を遅らせる最大の原因となる部分なんだね。改善アイデアはある?」



「テンプレートを増やせば早くなると思います。」



「いいね!じゃあ◯◯さんがテンプレ案を作成、私はレビュー。来週金曜までに仕上げましょう。」


ステップ3:リーダーがまず行動する
リーダーは「反省よりも即行動」を意識し、不安や失敗を恐れずに前に進む姿勢が大切。



自ら【実験→学習→改善】を見せることで、チーム全体に「挑戦していい空気」が広がりました。
- 毎朝「今日試すこと」をみんなに宣言し、翌朝に結果と気づきを共有。
- 例)会議の冒頭に1分間の雑談タイムを入れて参加率を測り、良ければ続ける。
- 「分からないこと」や「うまくいかなかったこと」を、社内チャットや朝礼で正直に話す。
- 「学んだこと」と「次にどう動くか」をセットで示し、挑戦する姿勢を見せる。
- 共有フォルダやチームノートに「誰が・何を試し・何を学んだか」を簡単に記録。
- 成功率ではなく「どれだけ学んだか」を評価し、挑戦そのものを讃える。



実験→学習→改善を繰り返すと、チーム全体が挑戦を楽しみ、失敗から学ぶことが当たり前になってきます。




2ヶ月目:課題を明確にし、変化を促すフェーズ


🏁ゴール:目標を言語化し、メンバーの行動をそろえる
\3つのポイント/
- SMART目標でゴールを数字と期限まで具体化
- 小さな成功体験を仕組み化
- チャレンジを後押しするサポート環境を整備



さぁ、スタートしましょう!
ステップ1 : 目標を設定し、チームに浸透させる
「目的 → ゴール → 数字目標 → 今日やること」を順にかみ砕き、全員で共有。
- 目的をはっきりさせる – 「そもそも何のために?」を言葉にする。
- ゴールを決める – 最終的に達成したい数字を1つだけ設定する。
- 途中経過を測る数字を置く – ゴールまでの道のりをチェックできる指標。
- 行動(タスク)まで落とし込む – 今日やる作業を具体的に書き出す。



目的と目標がズレていると、努力の方向もズレてしまいます。
まずはゴールを「言語化」し、チームで確認しましょう。
SMART目標であいまいをなくす
「SMART目標」は、目標を明確にし、実行可能な形にするためのフレームワーク。
5つの要素の頭文字をとったもので、以下のような意味があります。
項目 | 英語表記 | 意味 |
---|---|---|
S | Specific | 具体的であること |
M | Measurable | 測定可能であること |
A | Achievable | 達成可能であること |
R | Relevant | 目的に関連していること |
T | Time-bound | 期限が決められていること |
- 悪い例:「もっと頑張る」
→ あいまいで、何をどう頑張ればいいのか分からない。 - 良い例:「今月末までに新規顧客を5名獲得する」
→ 数字・期限が明確で、達成したかどうかも判断しやすい!



以下の5ステップに沿って、自分やチームの目標を整理してみましょう。
要素 | 質問例 | 記入例 |
---|---|---|
具体的 (S) | 何を達成したい? | 新規顧客の獲得 |
測定 (M) | 成功をどう測る? | 5 名 |
実現 (A) | リソースは十分? | 既存リスト+SNS |
関連 (R) | 部門目標と合う? | 売上アップ |
期限 (T) | いつまで? | 今月末 |
「今月末までに、営業リストとSNSを活用して、新規顧客を5名獲得する」



自分の行動やチームの目標をこのテンプレートで整理してみてね。
ステップ2:小さな成功体験を積み重ねる
短く試す → 「できた!」と感じる → 自信と勢いがつく → 次の挑戦へ という流れを意図的に作る。
- 小さく試す
- 例:朝礼の進め方を1つ変える/報告フォーマットを簡略化/ミス防止チェックリストを導入する。
- 成果をすぐ共有しほめる
- 例:共通メールテンプレートの敬語や定型文を整理し、返信時間を平均5分→4分へ 20%短縮。
達成したメンバーをチャットなどで紹介し、絵文字スタンプや拍手リアクションで祝福。
- 例:共通メールテンプレートの敬語や定型文を整理し、返信時間を平均5分→4分へ 20%短縮。
- グッドニュースボードをつくる
- 『誰が・何を改善し・どんな効果が出たか』を写真や数字で掲示。



「試す→できた→共有→また挑戦」の連鎖が、チーム全体の自信と推進力を高めます。


ステップ3:チームの成長を後押しするサポート
部下が安心してチャレンジできる環境を整え、必要なときにそっと支える姿勢が大切
小さな挑戦を重ね、自分で考えて動く経験こそ最大の成長エンジン。



リーダーは「信じて任せる→困ったら支える」という姿勢で、チームの自律性とモチベーションを引き出しましょう。
- リーダーは後ろから支える伴走者。
部下の挑戦を肯定し、やり方は任せる。 - 過干渉はNG。
困っているサインが出たら質問やヒントで“気づき”を促す。
- 70%:実務での挑戦 — 新しい提案や改善を現場で試す
- 20%:人から学ぶ — 1on1でのフィードバックやロールモデル観察
- 10%:研修・読書 — セミナー受講や書籍で知識を補充
- 挑戦を後押し — 「まずやってみよう!」を合言葉に。
- 失敗をリカバリー — 原因を整理し、次にどう動くかを決定。責めない。
- 学びを共有 — 成功も失敗もグッドニュースボードや朝礼で共有し、チーム全員の知恵に。




3ヶ月目:成果を定着させ、次のステップへ


ねらい:自走できるチームを確立し、リーダーは次の挑戦へ備える
\3つのポイント/
- 月末ふり返りミーティングで「良かった点」と「直す点」を言葉にする
- 役割と得意を一覧表にして、仕事を任せる
- 自分の成長プランを作る



さぁ、スタートしましょう!
ステップ1:振り返りと改善
これまでの変化を振り返り、良かった点・改善点をチームと共有することが、次の成長への土台となる。



振り返りは、次の一歩を強くする「準備の時間」。
- 「動く → 振り返る → また動く」 のサイクルを速く回すことがコツ。
難しく考えず、計画より「やってみる」を優先して、動いたらすぐチームで感想と数字をチェック。 - 数字・感想・学びを 共有フォルダにまとめる。
例)売上グラフ・成功したメール文面・失敗から得た学びなどを1か所に保存。




ステップ2:自走できるチームへ
チームをさらに成長させるには、メンバーに責任と役割を持たせ、主体的に動ける状態を目指すことが大切。
仕事を任せれば自信とやる気が育ち、リーダーはサポート役に回るだけでチームは自律的に動き出します。
- 「目的」と「成果を測る数字」をセットで決め、チーム全員が進む方向をそろえる。
- メンバーの得意分野と役割を掛け合わせた一覧表を作り、各自が責任とやりがいを感じながら働ける環境を整える。



メンバーに責任を持たせ、主体的に動けるようにしてあげましょうね。




ステップ3:リーダーのさらなる成長
リーダー自身も、常に学び続ける姿勢を持ち、成長を止めないことが大切。
リーダーはチームの方向性を示す存在。
舵取りがぶれないように、日々の実践だけでなく、視野を広げるための学びや内省も欠かせません。



上司や信頼できる人に相談することで、よりよい判断ができます。
- 毎月1冊本を読み、社外の勉強会にも参加して視野を広げる
- 社内・社外・同業の3人をメンターにし、いつでも相談できる環境をつくる




まとめ:3 か月でチームはどう変わる?


はじめてリーダーをまかされると、
「何から手をつければいいの?」
「自分にできるかな…?」
と不安になりますよね。
でも、やることを 順番に 並べて 小さく行動 すれば、たった 3 か月でもチームは大きく変わります。



まずは真似してみてください。
きっと「やれば変わる」を体験できますよ。
月 | やること | かんたん説明 |
---|---|---|
1 か月目信頼づくり | ① 1on1 で話を聞く ② 今の問題を見える形に書く ③ リーダーがまず動く | – 週1回、部下とゆっくり話す(7割は聞く) – 良いこと・困りごとを表にまとめる(KPT など) – うまくいかなかったらすぐ直してみせる |
2 か月目行動をそろえる | ① 目標を数字としめ切りで決める ② すぐ試せる工夫をやってみる ③ 挑戦をほめる&必要なときだけ手助け | – 例:今月末までに新規客5人などハッキリさせる – 朝礼のやり方変更など小さくテスト – 成功したらみんなで拍手。困ったらヒントだけ出す |
3 か月目自走チームへ | ① 月末にみんなでふり返る ② 得意×役割の表を作り仕事を任せる ③ リーダーも学び続ける | – 良かった点・直す点を言葉にする – それぞれの得意を活かし仕事を分ける – 月1冊読書+社外勉強会。相談できる先輩を3人つくる |



力まず、楽しみながら、一歩ずつ前に進んでいってくださいね。




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