仕事を任せたいのに、つい自分で抱え込んでしまう…
そんな風に感じていませんか?
頭では「このままじゃダメだ」とわかっているけれど、
どうやって任せればいいのか、自信が持てず、結局また一人で抱え込んでしまう――。
実はそれ、あなたが真面目で責任感が強いからこその悩みです。

この記事では、リーダー歴10年以上の私・ユリが、
部下に安心して仕事を任せるための「7つのステップ」を、やさしく丁寧にお伝えします。
- なぜ「任せるのが怖い」のか?
- 部下に仕事を任せるときのコツは?
- 自分と部下が一緒に成長できる「任せ方」とは?
仕事を任せることの3つのメリット





仕事を部下に任せるメリットを教えてください。



チーム全体の成長と業務の効率化に直結するメリットが3つあるの。
メリット1. 部下の成長と自信につながる
仕事を任されたとき、部下は「自分を信頼してくれているんだ」と感じるはず。
その気持ちが、やる気や責任感につながり、「もっと頑張ろう」という前向きな行動を引き出してくれるのです。



小さな挑戦の積み重ねが、部下の自信と成長を育てていきます。
メリット2. 自分の時間が増える
いつも忙しくて、ゆっくり考える時間もないあなたにこそ「任せる力」が必要。
繰り返しの作業や定型業務を部下に任せることで、あなた自身は本来やるべき大事な仕事に集中できるようになります。
メリット3. チームの雰囲気が良くなる
チームの中に「信頼してもらえた」という安心感が広がる。
自然と「お互いに助け合おう」という空気が生まれ、声をかけやすい、あたたかい雰囲気の職場に変わっていきます。



働く環境がいいと、ミスも相談しやすくなり、チーム全体が前向きに動き出しました。
なぜ任せられない?リーダーが抱える3つの心理的ブロック


なぜ、多くの上司は仕事を任せるのをためらうのでしょうか?
実は、こんな悩みを抱えているんです… (実は私もそうでした…)



不安要素を3つ紹介します。
不安① 自分のようにできるか心配
完璧に仕上げたい気持ちが強いほど、部下の失敗が怖い。



不安 ①
「自分のように上手く仕事ができるのだろうか・・・」
上司は、「自分だけがその仕事をちゃんと仕上げられる」と思い込み、初めてのことに踏み切ることが怖いと感じ、部下に任せることをためらいます。
また、部下の力量が信頼できないことで、結局自分でやった方が楽だと考えてしまいます。
不安② 嫌われたくない・面倒くさい
指示やフォローが負担に感じ、つい後回しにしてしまう…



不安 ②
細かく指示するのが正直、めんどくさい…
嫌われたくもないしなぁ…
上司は、部下に仕事を任せても放っておくことができず、そのつど指示しなければならないと思っています。
さらに、人に強制や命令をすることに対する怖さや、「嫌なやつ」になりたくないという思いも影響しています。
不安③ 部下の方が優秀かもという焦り
自分の存在価値を脅かされる不安。



不安 ③
「部下の方が優秀だったらどうしよう・・・」
上司は、他人を教育する自信がなく、部下が「優秀」だと感じると自分が「不要」になるのでは…という恐れを抱えます。



上司の皆さん、以上のような悩みや不安は解決できますから、安心してくださいね。
【新人リーダーこそ“なめられやすい”3つの理由|女性上司が信頼を勝ち取るためにやるべきこと】


ステップで学ぶ!部下に仕事を任せる7つの方法


仕事を成功させるには、事前に綿密な計画を立てることが不可欠。
最初に計画を立てて仕事の全体像をつかむことで、誰に何を任せるべきかがはっきりし、スムーズに仕事を進められます。



具体的には以下の7ステップを参考にしてね。
ステップ1:仕事を見える化する
任せる前に、タスクを洗い出し、目的・ゴール・必要な資源を整理する。
ステップ2:適任者を見極める
部下の能力と仕事の緊急度を考慮して人選する
部下の強みと現状の業務量も考慮しましょう。
例えば・・・
・締め切りが迫っている仕事→ 経験豊富な部下に
・時間に余裕がある仕事 → スキルアップの機会として未経験の部下に
・部下が仕事理解度を確認するために→「今から何をするつもり?」と質問する



人選の際は、できる能力 • 必要な支援 • 業務バランス • 成長の機会の4つのポイントを意識するといいですよ!
超簡単*仕事を任せる人選のチェックリスト!
①仕事遂行能力 :「部下がこの仕事はできそうか?」を判断する
(判断基準)
過去の実績を思い出し、似たような仕事をしたことがあるか?
さらに、どのくらいのスピードと質で仕事をこなせるかを考えてみましょう。
例:レベル別での部下のサポート
- 初めての仕事の場合 → サポートが必要
- 得意分野 → おおむね任せられる
- 苦手分野→ 一緒にフォローが必要
②必要な支援 :「どのくらいサポートが必要か?」を確認する
教育にかける時間やチェックする頻度、コーチングの必要性を個別にチェックする
レベル分け
- レベル1:ほぼ自立
- レベル2:時々アドバイス
- レベル3:頻繁にサポート
③他のプロジェクトとのバランス :「今、忙しくないか?」をチェック
現在の業務量や仕事の締め切りの確認、仕事の優先順位の調整を確認する
チェックポイント
- 今抱えているプロジェクトは何か?
- 業務の負荷はどのくらいか?
- 新しい仕事を受けられるキャパシティはあるのか?
④成長可能性 :「この仕事で何を学べる?」
「部下がスキルアップの機会になるのか」「 モチベーションが上がるのか」「キャリア形成につながるか」を考えてあげる。
成長のポイント
- 新しいスキルを得られるのか?
- 経験の幅は広がるのか?
- 自信をつける機会となるのか?



以上の4つのポイントを意識することで、迷わず最適な部下に仕事を任せられるようになりますよ!
ステップ3:「今から何をやるつもり?」と確認
「わかりました?」ではNG!
具体的に答えさせることで、理解度をチェックできる。



部下が指示を理解したかどうかを確かめるのに「わかりました?」と聞くのは無意味よ。



どうしてですか?



本人は理解したと思っても、理解していないことが多いの。
「理解できない」ことが恥ずかしくて、「わかりました」と答え、あとで自分でなんとかしようとする部下もいます。



では、どのように聞いたらいいですか?



こう聞いてみましょう。
「今から何をするつもり?」
このシンプルな質問で、部下の仕事に対する理解度がわかりますよ。
【初めての女性リーダー必見|指示が伝わらない原因と“伸びる言葉”の言い換え術5選】


ステップ4:作業プランを作らせる
長期的な仕事を任せる際は、部下に作業プランを作成させることがとても重要。
目的・スケジュール・必要資源・リスクも含めて考えさせるのがポイント。



作業プランを部下自身に作らせることで、仕事の全体像を把握でき、進捗管理や隠れていた問題の早期発見が可能になります。
\具体的な作業プラン作成ステップ/
①:プラン作成の指示
- 仕事の目的を明確に伝える
- 仕事の締め切り期限と期待される成果を説明する
- 自由に考えさせる余地を与える
②:プランに含めるべき要素
- 詳細なスケジュールを決める
- 必要な資源は何か?
- 予想されるリスクは何か?
- 必要なサポートは何か?
- 中だるみしないように中間目標も決めておく
③:作業プランを作成するメリット
- 部下の主体性を引き出す
- 仕事の理解度を確認できる
- チーム全体で進捗を共有できる
- 早期に問題を発見・対処できる
④:作業プランを作成する上でのポイント
- プラン作成後、一緒に内容を確認しあう
- 建設的なフィードバックを提供してあげる
- 部下の創意工夫を尊重する



このアプローチのポイントは、「管理」ではなく「協働」の姿勢です。
部下の「自分で考え、自分で行動する力」を尊重しながら、共に目標達成を目指すことが大切。
ステップ5:調整ポイントを設定する
進捗確認のための「調整ポイント」を設ける。
調整ポイントを設けることで、上司は部下の仕事の進捗を確認し、最終的な責任を持ちながらも安心して業務を任せることができます。



メリットとして、間違いや遅れを大きな問題になる前に修正できます。
調整ポイントの具体例
(例:金曜日までに終わらせる仕事を、月曜日に部下の佐藤さんに任せる場合)
上司は、「明日の午後4時に進捗の確認をしよう。そのときまでに、◯◯と✕✕の部分を仕上げておいてね」と伝えます。
この“進捗確認の時間”が、いわゆる「調整ポイント」つまり「確認の場」。
もし佐藤さんの理解がずれていたら、その場でフォローや軌道修正が可能。
ステップ6:一緒に進める追跡をする
部下の仕事の進捗を「追跡」する際に、協力的な雰囲気を損なわないようにする。
進捗確認は「監視」ではなく「協働」。
アドバイスや称賛の言葉を添えることで、部下のやる気も高まります。



部下は上司から常に細かく指示をされたり、監視されていると感じると、信頼感が失われる可能性があるので注意!
効果的な追跡の具体的な方法
仕事の進み具合を確認するためには、上司と部下で一緒に作業の流れを計画し、その中に「確認のタイミング(=追跡)」を組み込むのが効果的。
プロジェクトを進めるうえで、節目ごとに「進捗ミーティング」を設定しましょう。
その場でどこまで進んだかを確認し、今後の対応をすり合わせることができます。
部下が自分の考えや工夫を伝え、上司が具体的なアドバイスを返すことで、単なるチェックではなく“チームで進める感覚”が生まれ、仕事の質も高まります。


ステップ7:振り返りで信頼を育てる
部下に仕事を任せた後は、一緒に結果を振り返ることが大切。
うまくいった点、改善点を話し合い、次のステップへの気づきにつなげていくことで、信頼関係が深まり、部下自身の成長にもつながります。
\仕事完了後の効果的な振り返り方法/
1. プロジェクト全体の客観的評価を行う
- 目標達成度の確認を行う
- うまくいった点と改善点の洗い出しをする
- 想定外の課題や学びがあったか振り返る
2. 部下の成長に焦点を当てた分析
- 部下がこの機会を活かしスキル向上ができたか?
- 課題に対して適切に対処できたか評価する
- モチベーションを向上させ、部下を成長させることができたか?
上司自身も「任せ方」や「指導の過程」を振り返ることが重要
部下がどのように課題を受け止め、乗り越えようとしたのかを丁寧に見つめ直しましょう。
たとえば、「仕事の内容をどう感じたか?」「意見や提案を伝える場があったか?」などを確認すると、部下の気持ちや成長がより明確になります。
成果が出たときは一緒に喜びを分かち合い、失敗があったときは上司が責任を持つ姿勢が信頼を深めます。



部下の仕事の結果を振り返ることで、部下の成長を促し、上司としての役割を果たすことができます。




トヨタに学ぶ!「任せる」文化の育て方
トヨタ自動車は、「モノづくりは人づくり」という理念のもと、社員一人ひとりの成長を支える仕組みを徹底しています。
とくに、新入社員に対しては、段階的に仕事を任せることで責任感と自信を育み、早期戦力化を実現しています。
参考:(トヨタリクルート)
✅ トヨタの“任せる人材育成”の仕組み
1. 職場先輩制度(1対1で3年間の伴走)
新入社員には、配属から3年間、指導職以上の先輩社員が育成担当として付き、業務指導やキャリア相談、職場への適応支援を1対1で継続的に行う。
▶新人は安心して業務に取り組むことができ、早期の戦力化が図られている。
(株式会社LDcube)
2. 基礎固め研修(価値観・所作の共有)
新入社員向けに、社会人としての基礎知識の習得やトヨタの思想・技術・所作の理解など、体系的に学べるカリキュラムが用意されている。
▶トヨタの価値観や業務の進め方を早期に理解し、実践できるようになる。
3. 自己申告制度とローテーション(キャリアに自律性を)
社員が将来の目指すべき人物像や必要な経験・能力などを自主的に考え、上司とすり合わせを行う自己申告制度がある。
また、部門内外のローテーションを行い、様々な経験を積むことで、社員の成長を促している。
4. 早期戦力化の仕組み(こまめなフォローと声の吸い上げ)
新人が直面する課題に先回りして対応できるよう、先輩社員が定期的にフォローし進捗を確認する。
また、定期的なアンケートなどで新人の声を吸い上げ、人事施策へ織り込む取り組みも行われている。
5. 評価とフィードバック(“人間力”も含めて育てる)
年度初に資格にふさわしい役割・テーマ/到達目標を設定し、各資格に求められる「人間力」「実行力」に基づく1年間の能力発揮の評価が賃金に反映される。
また、上司は評価やその理由をフィードバックし、今後の期待値を伝えることで、さらなる能力発揮を促進する。



これらの取り組みにより、トヨタは新入社員に対して段階的に責任を与え、成長を促す人材育成システムを実現しています。


チームで任せるときのポイント


チームで動く際に大切なのは、役割分担の明確化と情報共有。
それぞれが何をするのかを明確にすることで、お互いに助け合える体制が生まれ、チーム全体のパフォーマンスが高まります。
チームで進めるための5つの工夫
- 仕事を分ける
→ リーダーは、プロジェクト全体をいくつかの作業に分けて、それぞれの得意な人に担当を割り振る。 - 希望が重なったら話し合い
→ 同じ作業をやりたい人がいたら、まずは本人たちで話し合う。それでも決まらないときは、リーダーが判断する。 - 全員がお互いの仕事を把握
→ 「誰が何をしているのか」を全員が把握できるようにしておくと、「手伝ってあげよう」「この部分お願いできるかな」と自然に助け合えるようになる。 - 分担表を作って掲示
→ チーム内での仕事の担当や締め切りなどを書いた表をつくり、みんなが見える場所に貼っておく。 - サポートし合える環境づくり
→ 忙しいメンバーがいたら自然に手助けできるような雰囲気を育てる



役割分担を明確にし、情報共有を行うことが、チームのパフォーマンスを高める鍵!
まとめ:任せ方はスキル


いかがでしたか。
部下に仕事を任せてみようという思いになりましたか?
私自身、最初に部下に仕事を任せるときは、さまざまな思いが込み上げてきて、躊躇していました。
進捗や不手際がないか心配になると、まるで小姑のように細かくつきまとうこともありました。
結果的に部下は嫌な気持ちになっていたと思います。
しかし、多くの失敗を重ねる中で、部下のさまざまな思いや考えが見えてきました。
それぞれの部下の力量を信じ、彼らを見守りながら、わからないことがあれば時間をかけて教えることが大切だと。
最後に部下に仕事を任せるときの手順をまとめます。
- 部下が自分の力を発揮できるよう、任せるプランをしっかりと立てる
- 任せる仕事の内容は、部下に対して明確に伝える(その際、部下の能力や現在抱えている仕事量、そして成長の機会にも目を向ける)
- 任せる仕事の内容は、部下に対して明確に伝える
- 仕事を進めるために必要な道具や情報を提供し、部下に自分自身の作業プランを作成させる。
- 進捗を確認するための調整ポイントを設定し、途中で進行状況をチェックする
- チーム全体に仕事を任せる場合は、まずチーム内で話し合いを行い、その仕事をいくつかの部分に分けて担当者に割り当てる。
- 最後に、一枚の分担表を作成し、他のスタッフが何をしているかを共有することで、全員がどのように協力できるかが明確になる。



部下やチームの成長を促し、より良い成果を生み出すリーダーを目指しましょうね!
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コメント
コメント一覧 (2件)
初めてのコメント失礼致します。
4月から1プロジェクトのリーダーになるため興味深く拝見させていただきました!
”進捗確認のための「調整ポイント」を設けることが重要”という視点をこれまであまり持ったことがなかったのでハッとしました!
素敵な情報をありがとうございました!
最初のコメント、ありがとうございます(^^
4月からプロジェクトリーダーを担われるとのこと、おめでとうございます🎉
「調整ポイント」の視点がお役に立ててとてもで嬉しいです!
進捗確認の仕組みをうまく活用すると、メンバーとの連携がスムーズになり、プロジェクトもスムーズに進められますよ♪
頑張ってください!
応援しています!